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英語の発音記号一覧:日本語にない音だけ先に覚える44音の読み方

発音記号を44個ぜんぶ同じ重さで覚える必要はない。半分以上は日本語にもある音で、問題は残りのほうだ。日本語話者にとって本当に新しい音を先に、カタカナに置き換えられない形で整理した。

発音記号は44個あるが、覚えるべきは全部ではない

英語の発音記号は、一般的な数え方で44個ある。母音が20個前後、子音が24個で、辞書の見出し語の横に角かっこで並んでいるあの記号だ。多くの一覧表は、この44個を等しく並べて、それぞれの横にカタカナの読み方を添えてくる。しかしこの並べ方には根本的な問題がある。日本語話者にとって、44個の難易度はまったく等しくないからだ。/p/ /t/ /k/ /b/ /d/ /g/ /m/ /n/ /s/ /h/ /j/ /w/ あたりは、日本語のパ行、タ行、カ行、バ行、ダ行、ガ行、マ行、ナ行、サ行、ハ行、ヤ行、ワ行とほぼ同じ音で、意識して練習する必要はほとんどない。

本当に時間を使うべきなのは、日本語に対応する音が存在しない十数個のほうだ。そしてカタカナの読み方を添えた一覧表は、まさにその十数個において最も害が大きい。日本語にない音をカタカナで書けば、必ず日本語にある別の音に置き換わる。/æ/ も /ʌ/ も /ɑ/ も「ア」と書かれ、/θ/ も /s/ も「ス」と書かれ、/l/ も /r/ も「ラ行」と書かれる。読み方を覚えたつもりで、実際には英語が区別している音の差を、覚える段階で潰してしまう。この記事は逆の順番で進む。日本語にある音は先にまとめて片づけ、残りに紙面を使う。

日本語にほぼそのままある音(先に片づける)

子音のうち、日本語話者が新しく覚える必要がほとんどないのは次の12個だ。/p/(pen)、/b/(book)、/t/(ten)、/d/(dog)、/k/(cat)、/g/(go)、/m/(man)、/n/(no)、/s/(see)、/h/(hat)、/j/(yes)、/w/(we)。それぞれパ、バ、タ、ダ、カ、ガ、マ、ナ、サ、ハ、ヤ、ワの子音部分だと思ってよい。厳密には英語の /p/ /t/ /k/ は語頭で息が強く出る(帯気音)という違いがあり、pen が「ペン」より息っぽく聞こえるが、これは通じるかどうかに関わるレベルの差ではない。

母音でも、/i/(happy の語末)、/ɪ/ に近い短い音、/ɔ/ や /o/ 系の音は、日本語のイやオである程度代用が効く。二重母音の /eɪ/(day)、/aɪ/(my)、/ɔɪ/(boy)、/aʊ/(how)、/oʊ/(go)も、エイ、アイ、オイ、アウ、オウとして日本語話者には比較的入りやすい。ただし一点だけ注意がある。英語の二重母音は一つの音の中で舌が滑らかに移動する一つのまとまりであり、日本語の「エ・イ」のように二拍に割れない。day を「デ・イ」と二拍で言うと、それだけで英語のリズムから外れる。ここまでが、時間をかけなくてよい部分だ。

日本語にない母音:ア・イ・ウ・エ・オの5つでは足りない

日本語の母音は5つで、これが最大の壁になる。英語の単母音は数え方によるが11個前後あり、日本語の5つに押し込むと必ず衝突が起きる。特に重要なのが4つだ。/æ/ は cat、bad、apple の母音で、日本語の「ア」より口を横に広げ、顎を下げて出す。/ʌ/ は cut、but、love の母音で、口の力を抜いた短い「ア」。/ɑ/(またはイギリス英語の /ɑː/)は father、hot、car の母音で、喉の奥から出る長い「ア」。この3つはカタカナではすべて「ア」になるため、cat と cut と cart が同じ音になってしまう。

4つ目が最も重要な /ə/(シュワー)だ。about の a、teacher の er、pencil の i など、強勢のない音節に現れる、非常に弱く曖昧な母音で、英語で最も出現頻度の高い音でもある。日本語話者の英語が英語らしく聞こえない最大の原因は、この /ə/ を出さず、すべての音節をはっきり発音してしまうことにある。banana は「バナナ」と3拍を均等に言うのではなく、真ん中だけを強く、前後の a を /ə/ に弱めて bəNAnə のように言う。この一点を直すだけで、個々の子音の精度より通じやすさが上がることが多い。さらに /ɪ/(sit)と /iː/(seat)、/ʊ/(full)と /uː/(fool)は、長さではなく舌の緊張の違いで区別される別の音であり、日本語の長音記号では書き分けられない。

日本語にない子音:/θ/ /ð/ /f/ /v/ /l/ /r/ の6つ

子音で新しく覚える必要があるのは、実質この6つとそれに近い数個だ。/θ/(think、three、math)と /ð/(this、that、mother)は、舌先を上下の歯の間に軽く挟んで息を出す音で、日本語には存在しない。カタカナでは /θ/ が「ス」、/ð/ が「ズ」になるが、think と sink、they と day が同じになってしまうので、この置き換えは実際に誤解を生む。/f/(five)と /v/(very)は上の前歯を下唇に当てて出す音で、日本語のフやブとは口の形が違う。特に /v/ を /b/ で代用すると、vest と best、vote と boat が区別できなくなる。

そして /l/ と /r/ だ。日本語のラ行は、舌先が上あごを一瞬弾く音で、英語の /l/ でも /r/ でもない中間的な音になっている。英語の /l/ は舌先を上の歯茎にしっかりつけたまま声を出し続ける音、/r/ は舌先をどこにも触れさせず、口の中で丸めるか奥に引く音だ。決定的な違いは接触の有無で、/l/ は触れる、/r/ は触れない。この一点だけを意識すると、light と right、collect と correct の区別が作れるようになる。もう一つ、日本語話者が見落としがちなのが /ŋ/(sing、thinking の語末)で、これは「ング」と2音に割らず、鼻に抜ける一つの音として舌の奥を上あごにつけたまま終える。

記号よりも構造:英語は子音で終わるが、日本語は終われない

発音記号を1つずつ正確に出せるようになっても、単語になると通じないことがある。理由は音の種類ではなく、音の並べ方にある。日本語の音節は基本的に「子音+母音」で終わり、単独で立てる子音は「ん」だけだ。だから英語の子音で終わる単語を読むと、無意識に母音が足される。desk が「デスク」になり、and が「アンド」になり、street が「ストリート」になる。street は英語では1音節だが、カタカナ経由では5拍になる。この母音の追加は、個々の発音記号がどれだけ正確でも起こる別種の問題で、単語を長く、リズムを平坦にする。

リズムそのものも違う。日本語は拍(モーラ)を等間隔に並べる言語で、「が・っ・こ・う」の4拍はほぼ同じ長さを持つ。英語は強勢のある音節を等間隔に並べ、その間の音節を圧縮する言語だ。だから英語では、強く読まれない音節が極端に短くなり、前節で触れた /ə/ に潰れる。発音記号の一覧に強勢記号(ˈ)が付いているのはこのためで、これは飾りではなく、その単語で唯一伸ばしてよい場所を指している。photograph、photographer、photographic は、強勢の位置が動くだけで母音の読みまで変わる。記号を1つずつ覚えるより、この構造を知っているほうが、はるかに多くの単語に効く。

発音記号を実際に使えるようにする順番

実用的な順番を1つ提案する。第1段階は /ə/ だ。出現頻度が最も高く、直すと効果が最も広い。辞書で単語を引いたとき、強勢記号の位置と /ə/ の位置だけを見る習慣をつける。第2段階は日本語にない6つの子音(/θ/ /ð/ /f/ /v/ /l/ /r/)で、これは口の形の問題なので、鏡を見ながら舌と唇の位置を確認するのが速い。第3段階が /æ/ /ʌ/ /ɑ/ の3つの「ア」と、/ɪ/ 対 /iː/、/ʊ/ 対 /uː/ の緊張の差。第4段階が語末の母音を足さない練習で、これは単語ではなくフレーズ単位でやるほうがよい。

ただし、どの段階でも一人では検証できないという問題が残る。自分の /r/ が /l/ になっていることは、自分の耳では聞こえない。発音記号を読める人と、その通りに出せる人の間にある距離は、知識ではなく、間違いを指摘された回数でできている。SpeakBaseでは、AI音声チューターのKateと英語で会話しながら、聞き取れなかった単語をその場で言い直してもらい、なぜそこが違うのかを日本語で説明してもらえる(アプリの画面表示は英語です)。日本人全体で見ても、読む力に比べて話す力だけが取り残されていることは、リサーチ記事「TOEICの平均点は616点。それでも日本の英語力が世界96位である理由」で数字として確認できる。発音記号は、覚えた瞬間ではなく、声に出して直された瞬間から使えるようになる。

よくある質問

英語の発音記号は全部でいくつありますか?

一般的な数え方で44個です。母音が20個前後、子音が24個ですが、日本語話者にとっての難易度は均等ではありません。/p/ /t/ /k/ /b/ /d/ /g/ /m/ /n/ /s/ /h/ /j/ /w/ など半分近くは日本語にほぼ同じ音があり、練習が必要なのは日本語に存在しない十数個です。

発音記号は覚えるべきですか?

全部を暗記する必要はありませんが、日本語にない音の記号は読めるようにしておく価値があります。辞書やアプリが示す音を自分で再現できるかどうかが変わるからです。優先度が最も高いのは /ə/(シュワー)で、英語で最も出現頻度の高い母音であり、これを出さないことが日本語話者の英語が平坦に聞こえる主な原因です。

「ə」はどう読みますか?

シュワーと呼ばれる、強勢のない音節に現れる非常に弱く曖昧な母音です。about の a、teacher の er、pencil の i がこれにあたります。特定のカタカナには対応せず、口の力を抜いて短く出すのが正解で、はっきり「ア」や「エ」と発音するとかえって英語らしくなくなります。

日本人が特に苦手な英語の音は何ですか?

子音では /θ/(think)、/ð/(this)、/f/(five)、/v/(very)、/l/ と /r/ の区別。母音では cat の /æ/、cut の /ʌ/、father の /ɑ/ という3つの「ア」の区別と、/ə/、そして /ɪ/ 対 /iː/、/ʊ/ 対 /uː/ の緊張の差です。いずれも日本語に対応する音がないため、カタカナに置き換えた時点で区別が消えてしまいます。

発音記号を覚えれば発音は良くなりますか?

記号を読めることと、その音を出せることは別です。記号は目標を正確に示してくれますが、自分の発音がその目標に届いているかは自分の耳では判定できません。実際に英語で話し、聞き取れなかった箇所を指摘して直してもらう往復が必要で、そこが発音記号の一覧表だけでは埋まらない部分です。

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